歌みくじ。

 

サラリーマンだった頃

"セルフ歌みくじ"をやっていた。

特に月曜朝。

なんとか気合いを入れて

自分にエンジンかけて

無理矢理出勤する為に。

 

歌みくじとは、スマホでその日

一発目に耳に飛び込んで来たものから

一日をいい感じにする術や

その為のメッセージを得る的なものである。

要は、おみくじとして歌を使うのだ。

 

例えば、

星野源『ばらばら』が

朝一、一発目に耳に飛び込んで来た時。

 

"世界はひとつじゃない

ああ そのまま ばらばらのまま

世界はひとつになれない

そのまま どこかに行こう"

 

の歌詞を真に受ける。

今日一日の、

過ごす指針とするのだ。

 

当時ゴタゴタしたチームをまとめ、

会社一丸となって

売上を延ばす?

まとまらないストレスに

日々くさくさしていた時にひいた

歌のおみくじだった。

 

いやまとまらないから、今は。絶対。

「みんなぁ、まとまろうよぉ」なんて

無理して頑張らなくていいぞ、自分。

肩の力を抜いて

今日は一日をしっかりやり遂げろよ、

社内の雰囲気が悪かったら

そのままどこかに営業に行っちゃえ!

今はそういう時なのだ。

 

って、その時その時の状況に応じて

"歌みくじ"から自分勝手に歌詞変換をして

自分自身を盛り上げていたのだ。

その日その日をなんとか

乗り切っていたのだ。

 

そんな遊びをふと思い出し、

今日のあたしの歌みくじは

星野源『私』だった。

 

"希望どもが 呆れたまま

死ぬのだけじゃ あんまりじゃないか"

 

源ちゃんのこの言葉をきいた瞬間、

あたしの細胞達が

涙している気がした。

 

確かに何者でもないけれど

あたしの魂を

ちゃんと活かして、

自分の希望を叶えて、

やり遂げてから逝かないと、ってね。

「あんまりじゃないか」と泣くのよ、

あたしの魂がさ。

細胞どもがさ。

 

スマホにはランダムに

曲が入っている。

だけど

歌みくじの図星さ加減は

とても偶然とは思えないのだ。

 

知ってるな、コイツ。

あたしの今を。