京都パラダイス。

イノダコーヒー。
言わずと知れた歴史的名店。

1940年から
コーヒーを出していたなんて…
頭が下がる思いで
三条店の敷居を跨ぐ。


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奥の円形のテーブルの中では
まるで板前風な出で立ちの
職人が丁寧にコーヒーを
いれてくれる。
そして、寿司を出すが如く
コーヒーをサッと置く。


ひっきりなしに常連さんが座り
座った途端に
阿吽の呼吸で
新聞と灰皿が置かれる。
奥の丸く大きな円を描くテーブルは
今どき珍しく喫煙出来るのだ。

席にゆっくり座って
一言二言会話をかわし
あとは新聞を見入る
おばあちゃん。
たばこをくゆらせコーヒーを飲む。

近所のおじいちゃんは
孫を連れてお昼ごはんか。


あたしも
サンドイッチをつまみながら
ミルクと砂糖が入った
いい感じな甘さのコーヒーを
すする。


見ていて飽きない。
飽きないどころか
帰りたくなくなる。

会話があり、
近所づきあいがあり、
昨日の話の続きをして、
新聞を読んで…な喫茶店


スマホの充電も出来なきゃ、
パソコンとにらめっこな人も
いない。
混んできたら
サッと席を立つお客さん達。



昭和から時が止まって
何も変わっていない趣き。
だからって、
取り残された感覚は全くなく
むしろ
それがとっても心地よいのだ。

コーヒーがこんなに
美味しいのは
この不思議な時の流れ
かもしれない。

いつもはブラックに
甘いもの、と決めている。
でも、ここでは
ミルクと砂糖入りなコーヒーに
ケーキを食べても
くどくない。


隣のおじさんは
何か書いてる。

みんなこの
心地よい時間を堪能しているのが
わかるのだ。


ちっとも帰りたくない
あたしは
アップルパイを追加した。


ここ。
パラダイスだな。