今宵、画狂老人に酔う。

"あと10年命があればいい。
いや、5年の命を保てれば
本物の絵描きになれただろうに"


北斎さん
死ぬ時、そう言ったって?

嘘でしょ?!

今日約2時間、ぐるぐると。
森美術館を堪能したよ。

仕事終わりで、ぐーぐーと。
腹が鳴ろうがお構いなしで。
かなりの作品数に加えて
神田松之丞さんの
講談気味な解説が絶妙で。

大満足の展覧会だったよ。

春朗さんからはじまり
宗理、葛飾北斎、戴斗、為一、
画狂老人卍と変化するまで
何枚あったか
知れやしない。

最初は浮世絵の
いかにもな感じだったけど
鳥羽絵集の
生きる人、人、人、の
にやけた顔変化を見ていて
とっても一人の人間が描いたとは
思えなかった。

当時の人が生き生きと
その瞬間を切り取ったみたいな
感じがしたよ。

駕籠かきなんて
後ろのおっちゃんの

えぃやぁ

なんて掛け声でも聞こえてきそうな
風情がしてさ。
そう、今にも動き出しそうなんだ。

もしや
サザエさん
きっと鳥羽絵がヒントに
なってやしないか?なんて勝手に
妄想して止まらなくなったよ。
カツオや、波平な感じが
重なるんだよ。



北斎さん。
当時に動画みたいなものが
あったらさ、
きっと、子供も大人も喜ぶ
日常の、由無し事の、
でもなんかほっこりなアニメ
かなんかになったんじゃないかなぁ。
北斎さんの作品でね。

天地に学び
人を描き
花を描き
水を描き
神を描き…


もっともっと、って
いつも思っていたんだろうな。


引っ越しが多いのは
何かしら環境を変えて
画風を変え
様々な挑戦をし
更なる高みを目指したんだね。

富士山の上空に
描いた昇り龍の如く。

折れない向上心を持ち続けた
貴方という存在。
本物の絵描きというより
人たらしな画狂老人卍。

惚れました。

#新北斎
#神田松之丞