毒を食らわば…

皿まで、ってやつだね。

神田松之丞独演会
"講談春秋"で、『徳川天一坊』に
酔いまくりの今宵。

成りすまして成り上がり
何処まで行かれる天一坊?!
がトリだった。

一旦手を染めた悪事って
ループしていくしか…ないのか。

"毒を食らわば皿まで"とは
ほんと上手いこと言ったものだ。

しかもこの話、本当にあったと
いうから凄い。
一人の少年の成長物語
江戸幕府が絡み、悪が色を添える。
都度、劇場全体が
本物の殺しを
目の当たりにしているかのようで、
もの音一つしない。


しかしながら天一坊。
貫く信念も大したもの。

ってことで、舞台の上には
松之丞さんただ一人なはずなのに
大荒れの海が見え
帆柱が叩き割られた音が聞こえ
その無残な船が見える気がする。

初めてじゃないこのネタに
ハラハラするとは
何事か。

頬を刺す、ヒヤリとした風。

寒っ。

舞台から突風…
演出かと思いきや
松之丞さん向けに舞台を冷やす
クーラーの冷気だった。

いや、もしや
天一坊の霊気かも。

体感温度が変わるんだ。
神田松之丞さんを見ていると。

講談を食らわば…