今日、天野屋利兵衛が助けに来てくれて。

「タマサプリ さん、1番に
お電話入ってますけど…」

ちょいと寒気を催したのかな?

取次ぎをしてくれた女子の
微妙なお顔色。

お電話が入ってますけど、の
"けど"がクセモノ。

(良からぬ事が起こったのであろう)

電話に出る。

案の定の剣幕だ。

クライアントさん曰く
購入してないものが請求されてる、と。

ついでに

請求書の内容がわかりにくい、と。


確かに、買っていないものの請求が
たっていたら、
そりゃお怒りはごもっともだ。

とりあえず詫びを入れ、
至急再調査。
関わった者達全てに確認をとる。

で、再度請求書を発行し直す。

わかりにくい請求書を発行したことの
"詫び証文"を書き
確かに発注は〇〇セクションから
頂きました、とわかるシートを
添えてMAIL。

再度確認の為に電話をかける。

すると、案の定まだ
お怒りレベルは下がっていなかった。


「頼み手は誰か」と。
要はご自身、蚊帳の外だったようだ。

「ご発注部署名は解りますが
直接やりとりをした者が今不在でして。
でもサインらしきものが下に…」

「白状せねば、七之助(ここでは
タマサプリ かな)
を鞭で打つぞ!」

「そのように仰りましても…」

「じゃあ、納品書はどうした!」

「納品した部署にご送付済みで
ございます」

段々とヒートアップする
クライアントさんの声を聞いているうちに

あたしは、『天野屋利兵衛』の
あの講談を思い出してしまい
全く集中出来ない事態に。

そして、あの名ゼリフ

「タマサプリ は男でござる!」

を言いそうになり
めちゃくちゃ怒られているのに
顔がにやけて仕方なかった。


普通なら凹むな。
こんなに叱られたらさ。

でもね、あたしには
松之丞さんや松鯉師匠が
ついてる。

そんなことを考えていたら
凹むどころか笑えてきた。

今日は、天野屋利兵衛が
助けにきてくれた。

そして請求書の分かりづらさを
ご指摘頂き、ありがとうございます!
まで言えた。

お奉行はだいぶ
落ち着いたご様子だ。

毎日が
大丈夫。


講談のおかげで。