それでもあたしは食べるのだ。

 

あの日以来、

アオハル時代の"タイム"のカレーが

気になって仕方ない。

 

ならば、やってみるかと

スパイス達に協力を仰ぐ。

 

着地点は、

トマトを感じつつ爽やかなカレーだ。

玉ねぎをじっくり炒める。

カルダモンメインで、

クミン

ターメリック

チリパウダー

気持ちシナモン。

ヨーグルトを追加し、

クリームチーズとトマトをめいっぱい

刻んでみた。

 

味見しては、あれが足らない、

これ入れたらどうなる、と実験して

とりあえず完成したのだが…

 

f:id:tamasapuri:20200521212227j:image

 

鶏肉入りカレー。

「普通に美味しい」と家族。

だけど

あの時の"タイム"じゃないんだよ。

マンゴーアイスを

牛乳とヨーグルトで作った

ラッシーにいれたりして

異国の風を吹かせて自分の気を取り繕う。

 

…なんてやっていたら

ふと大学時代にタイムスリップした

気がした。

 

匂いのせいだ。

 

あの時嗅いでいた

タイムのカレーとは程遠い匂いだが

それに寄せて作ったために

あたしの緩くなった脳ミソが

上手い具合に勘違いしてくれたのか。

 

うん十年前の

キラキラモードと、

鬱屈した感じが寄せ集まった

謎人間の当時のあたしを

今のモードでリスタートするために

こんなことをしているんじゃなかろうか。

ふとそう、思った。

 

だとしたらパラレルワールド

ガラッと未来が変わるのだ。

 

スパイスで

自由自在の瞬間移動。

スタートを変えると

別のゴールへ向かう気がする。

今以上わくわくした未来にね。

 

間違いなく言えることは

そこでもあたしは

食べてる、ってことだ。

 

 

#スパイス

#タイムのカレー