気持ちいい2人。

 

落語や講談って

マクラでの感触からネタを

決めるって言うじゃん。

 

何を隠そうあたしも実は

そういう時は、あるのよ。

かなり似た感じのヤツ。

冷蔵庫を開けて、そこにある

材料のラインナップで献立を決める勝負を

ほぼ毎日。

 

でも持ち時間てものがあるから、

ずーっとマクラをやっている訳にも

いかないし、

省エネ時代には

扉の開けっ放しは避けたいし。

落としどころを見つけるのが上手いのが、

"やれてる"ヤツだと思うのだ。

日々あたしも、目指してはいる訳だが。

 

で、昨日。

神田松之丞さんと、

画家山口 晃さんのトークイベントに

行ったのだ。

 

個性的な"やれてる"方々の話は、

聞き応えのあるネタばかり。

出来ることならもっと長く聞いて

いたかったのだが、

そのあとの第3部は

松之丞さんの講談だったから

泣く泣くお開きになった

トークイベント。

 

松之丞さんは"赤穂義士伝の東下り"

で締め括った。

 

垣見左内という偽名を使う大石内蔵助

だが、その場所で本物の垣見左内と

鉢合わせ。

 

幸いにも本物の垣見は

人間的にも出来たヤツだった。

大石内蔵助の本懐を遂げさせてあげたいと

自ら悪者になることを選ぶ。

惚れ惚れするほどの男気だ。

 

かたや主君の仇討ちして死ぬことを

夢みて今を生きる、大石。

かたや大石の生き様を

邪魔しちゃならないと心を決めた、垣見。

 

どちらも自分の為にじゃなく

人の為に、生きていこうとしていてさ、

真の大人が出てくる物語。

 

人が人をリスペクトする美しさ。

それがじわじわと…。

 

昨夜の舞台上での本物の男と男。

正にあの場で

"お互いに自身の本懐を遂げようぞ"

の、決意を込めたネタだった

気がするのだ。

 

いいものを見た。

 

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#神田松之丞

#山口晃