愛おしい。

 

下車駅のコンコースに、

石像が置かれている。

 

鯛やお福さんといった

ひと抱えくらいの大きさの

縁起物石像のオンパレードだ。

 

帰りがけ、ふとそこをちら見したら、

少しお酒が入った感じのおっさんが

お福さんを撫でていた。

全然いやらしい感じではなく、

何かすがるような触り方。

何も言ってはいないけど

もう身体中で何かを伝えたい、って

そんな感じだった。

 

 

 

うわぁ…

 

 

思わず二度見した。

 

哀愁を帯びた

くたびれたサラリーマン。

何があったは知らないが、

良い事があった雰囲気ではない。

 

なんか妙に同胞な気がして

妄想で、並んで一杯やった。

 

何だかなぁ。

何か上手くいかないなぁ、ってさ。

 

明日は、いい日になりますように。

 

 

藁をもすがるじゃなくて、

お福さんにすがるおっさん。

 

人ってなんて…