気になって眠れないじゃん。

 

今から290年前に、

本当にあった話。

 

講談"徳川天一坊"に、どっぷりの一日。

 

八代将軍吉宗のちょっとしたオイタが

この事件の発端。

 

あらすじは、神田松之丞の

『講談入門』の75ページにあるし

ウィキでも、"天一坊改行"で少しわかる。

 

要は、なりすましだ。

SNSでよく聞くけれど、

290年前から、なりすましは

あったってことなのだ。

しかも、将軍の子に。

あわよくば9代将軍になれたかも

しれない天一坊。

こんなことが、本当にあったって言うから

驚きだ。

将軍の座を狙ってなりすますなんて

なんて高い目標なのだ。

 

 

だけど、南町奉行大岡越前守だけが

天一坊を偽物だと気づく。

 

その理由が、悪相。

 

確かに悪人ばかりを見ていたら

人相判断は得意になるだろうが、

五大老が、

天一坊は本物の御落胤と決した

にもかかわらず、命をかけて

その決定に反発する大岡。

 

しかも、嘘の病気休暇を申請して

江戸から紀州に早駕籠で向かい

証拠を突き止めに行くのだから尊敬する。

今だったらこんな事件

号外ものだな。

 

で、次はどうなる!

ってところで今日は大団円。

 

そりゃあ、自分で調べたら

この先どうなったか結果はわかるよ。

わかるけれども、

あの名調子の神田松之丞、をはじめ

神田派一門の講談でこれを聞くと、

天一坊が現れるのだ。目の前にね。

なんとか真実を突き止めようと

あたふたした大岡忠相の姿が見えるのだ。

 

 

数寄屋橋に住んでいた大岡忠相が…

なんて講談で教わると

帰途の、今自分が見ている風景は

江戸時代から繋がっているんだなぁ、と

じんわりしてくる。

そうなのだ。

講談は、話を立体にしてくれるのだ。

幕府を乗っ取ろうと

天一坊がなりすましをする。

一大事を避けようと

大岡忠相が犯人探しをする。

 

ちょっとだけ有名になった人が

こうして名を残して語り継がれ

講談となる。

いや、有名無名問わずだ。

とにかく今、あたしが立ってるこの場所に、

あーでもないこーでもないと

人が右往左往して、ちゃんと生きて

いたのだと、

講談が肌で感じさせてくれるのだ。

 

数寄屋橋交差点に立ち

薄眼にしてみたら

大岡忠相さんち、透けて見えないかなぁ。

なんて、わくわくしてくる。

 

不思議だなぁ。

いろんなものに繋がって

今あたしはここにいる。

天一坊事件を垣間見て

ざわざわしているわけで。

 

天一坊さんよ、290年間ずっと

あんたの話が語り継がれるなんて

講談に感謝しなきゃじゃない?

 

真贋問題の、その先は

やっぱり講談で聞きたいな。

 

あー、その先が気になって

眠れないじゃんね、全く。

って、丸一日かけて今日は

徳川天一坊事件にかかりっきりだったから

だんだん薄眼になってきて…

 

 

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