強み。

瀧川鯉八

なんて味のある人なんだ。

あゝ懐かしや…な感じ。
お顔立ちも、見た瞬間から
癒されるし。

初めてあたしは
独演会"ちゃお4"に
行ってきた。

今まで神田松之丞さん推しで
高座通いをしていたが
鯉八さんだけ、はお初。

勝手に高座を
シュウマイ弁当に例えると
瀧川鯉八という人は
あたしの中では"杏"。

峠の釜めしの中だと
瀧川鯉八という人は
"杏"なのだ。

なんだ、一緒じゃん。

そうなのだ。
なんか気になる。
主役とまではいかないけれど
無くてはならない名脇役
口に入れたら
にやけて嬉しくて
さっぱりして愛おしい。

そんなイメージを持っていた。

今日の独演会で
そんな勝手なイメージは
軽ーく覆ったね。

瀧川鯉八さんの鯉八落語。
パワーは半端ないのだ。

ビジュアルがホンワカしているから
今まで、ご本人の凄さが
あたしにストレートに伝わって
こなかったんだな。

だが、今日。
参りました、だ。

この人面白い!
この人のやっていること
すごいなぁ、って。

瀧川鯉八さんに出会えたご縁に
嬉しくなった。

思うに。
古典をしっかり暗記して
自分色に練り変えて
高座にかけるのも素晴らしい。
自分らしさを出す大変さって
並大抵の努力じゃないと思う。

中村仲蔵並みに
悶々と悩み考えて
人前で演る域に到達するのだから
芸人て流石だと思う。

そんな中で、新作落語
(個人的にはこの言い方は
あまり好きではないから)
鯉八落語には
"自ら作る"格好良さがある。

この夫婦の会話は
どういう時に思いついたんだろう。

とか、

バイトの休憩中に
3人で武士ネタをやって
なんか盛り上がるさま、って
微妙だけど、不思議な世界だなぁ
って。


今生きていることが
ネタなのだ。
日々の「クスッ」が
ネタなのだ。
なんとも言えない空気感が
ネタなのだ。

瀧川鯉八って人は
毎日をおもしろがって
でも苦労して落語を生み出して
いるんだろうな、って
弁当の最後に杏を愛でながら
堪能するように
好きになってしまった。


「これが好き」があるのは
強みだ。
軸足がぶれない。
だからずっと
作り続けられるのだ。

好きは人を強くするね。
周りに有無を言わさない
芯の強さを感じた。
ひたひたとくる
パワーがあるのだ。

これからは
瀧川鯉八弁当、単独も
ありだな、と。
むしゃむしゃ食べたら
口に入れた途端にほっこり
じんわりするに違いないのだ。

瀧川鯉八落語。

どっぷりはまった夜だった。


#瀧川鯉八
#ちゃお4