だから一曲目なのか。

"歌を歌うときは
背筋をのばすのよ
人を殴るときは
素手で殴るのよ"

星野源『歌を歌うときは』


真っ暗な中の
一筋のスポットの下には
ギターを爪弾く
星野源ちゃんがいた。

ドームのライブの一曲目が
これとは。

当たり前の
常識の
親が子を諭すような
根本を
静かに
じんわり…
なのである。

呼び覚まそうと
してくれているのだ。

"好きだと言うときは
笑顔で言うのよ。
さよならするときは
目を見て言うのよ"


肩に力なんか入れなくていいのだ。

大事なことがわかっている、なら
もうそれだけで
充分なんだ、と。

忘れちゃってたよ。

そう思っただけで
ちょっとだけ、だけど
背筋が伸びた気がした。