別れ方から思うこと。

明日はいよいよ
討ち入りだ。


ここ数日、なんか
やっぱり落ち着かないのだ。

明日の本番を前に
四十七士はどんな気持ちで
愛する人と別れをしたのか。
神田松鯉師匠や松之丞講談のおかげで
まるで会話を盗み聞きしているように
姿が見えてくる。


赤垣源蔵は仲の悪い兄貴と
酒を飲んで別れよう、と
兄貴宅に行く。
残念ながら不在のため
兄貴の紋付の前でただ一人
酒を飲む。


大高源吾は
前日の夕方すす竹売りをしつつ
振られた俳句に
本懐を遂げるであろう
喜びの付句をする。

"(年の瀬や水の流れと人のみは)
あした待たるる その宝船"


大石内蔵助
浅野内匠頭未亡人、瑶泉院が住む
南部坂に向かう。
決行の連判状を短歌に忍ばせて
本心を伝えることなく
去っていく。


三人三様。
人それぞれ。

不義士の思いも、またどんなに
深いのか。
沁みてくるのだ。


人ってなんて
情がある生き物なんだ。

切なくなるくらい
愛おしいのだ。

赤穂義士伝を聞いたおかげで
もっともっと
人が好きになってさ。