忘れた頃にやってくるイベントといえば
マンションの全住戸対象の排水管洗浄だ。
年一で台所排水口や洗面所の排水口、そして
洗濯機に風呂場の排水口を１階の住戸から
順次高圧洗浄し、上階へと移動する清掃日。
なのでこの日は必ず指定時間帯に居住して
いて欲しい旨の通知が一ヵ月前にくる。
下階洗浄前に上階を洗浄してしまうと
落ちる汚れで管が詰まることがあるそうで
組まれたスケジュールに変更は不可、など
いろいろと書いてある。
まぁ、排水口が汚いと自分が困るので
何がなんでもこの日は予定など一切入れず
自分も相方も数日前から全集中。
我が家は幸か不幸か最終時間帯に
当てられていたのでそれまで血眼で
(あたし的には網膜剥離手術後なので
ある意味血眼…)家中の掃除に朝から励む。
洗濯物はベランダに干して隠せばいいや
の予定も残念ながら雨天なので全て室内干し。
恥ずかしいから開始直前に
まとめて一部屋に集めて隠し、
ダサいものは見えないようにしたりして
チマチマした工夫を凝らしまくる。
台所はシンク全体までピカピカにしたり
洗面所のカランや鏡に至るまで磨き上げる。
係の方の高圧洗浄機のホースが真っ直ぐ
室内に入るように、余計な家具をどかして
廊下までスッキリ…と
大晦日の大掃除並みの掃除をして清掃員さんの
来訪を待ち受け、一大イベントを完遂するのだ。
それにしてもこの清掃員さん達の仕事っぷり。
毎回やっぱり興味津々惚れぼれして
近くで観察したり声を掛けてしまうのだ。
「ご自宅も綺麗にされているんですか？」とか
「台所排水口ってこういうシート(丸い下敷き
みたいなやつ)で水を溜めて一気に流すと
いいんですねー」など碌でもないネタを振る。
３０代と２０代半ば風の男性２人。
マスクをつけて伏目がちで
室内をキョロキョロもせず黙々と仕事をされる。
会社の方針なのか他言無用主義なのか
とにかく一心に作業をされて帰って行かれるが
一家にひとり欲しいなぁ…と思ってしまう
有り難い排水管洗浄作業。
掃除の仕方を質問をするとふと目が合って
その目がニコニコキラキラしていたりすると
「寡黙突破！」と心の中でガッツポーズ
したりして。
高圧洗浄機でシャーっとやって頂いて初めて
家とマンション全体と、そして
自分自身の"浄化完了"が出来た気分。
朝から雨天でモヤっていた空が
作業終了と同時に明るくなって
気持ちのいい夕暮れ色に。
スッキリするなぁ最高だ。
有り難いことこの上ない。
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