曇りがちだけど
やっぱり歩こう。
そう思って外へ。
途端に、この子に呼ばれて近づく。
どこから生まれているかというと、
木の切り株で、それもだいぶ
朽ちた風貌の渋いヤツからだ。
表面は乾燥してパリパリだけど
株の中のあたりは湿気がある。
その風貌からして、かなり以前から
切り株にされ、この場所に居たはず。
歩いていて、全然気づかなかった。
というか、気づけなかったんだ。
今日、この可愛いい若葉のおかげで
「あれ?」って、お近づきできた訳。
ひとつ見つかると
目が覚めたように
あちこちにそれは有り…
きっと、
行雲流水を教えてくれて
いるのだな、と。
"こううんりゅうすい"とは、
読んで字の如く、漂う雲や流れる水のように
自然のまま、成り行きに任せて執着せずに
生きるさま、だと教わった。
この切り株達に気づいた時
この四文字熟語が一瞬浮かび、
だが、
その後すぐ、あたしの耳元で
「生き直す」
と、聞こえた気がした。
木は切り倒されて、株となり
だけどめげずに芽を出させて
別のカタチで生き直している。
今日は何故か切り株ばかりが矢鱈目につく。
"成り行き任せに、生き直せばいいじゃん"
そうか、その手があったか。