いつのまに。

 

 

「授業の合間にそっちに行くから

一緒に昼ごはんでも食べようよ」

 

朝、娘にそう誘われて、

(お金か?)と思いつつも

快諾。

 

で、ランチ時に再会して

なんとあたしがした事は

会社の愚痴。

さっきの不条理すぎる事に我慢出来ず、

娘に愚痴る親なんて

如何なものか。

 

だが、彼女が言った言葉に

我が耳を疑った。

 

「キミのモノサシはそこじゃないでしょ」

 

なんてヤツだ。

あたしなんかより

全然大人じゃんか。

 

言われて我に返れたね。

あぁ、そうでした、と

フンドシを締め直せたのだ。

 

この世代、本当に

不思議なのだ。

直感が研ぎ澄まされたところがある。

 

我が子ながら

既に理解の範疇を超えている。

 

ちゃんと

ひとりの人間で。

ちゃんと

意見を持っている。

 

頼りになる別の人間が

こんなにそばにいるとは…

 

会社の云々なんて

すっ飛んだ。

どうでもいいや。