モリゾーとキッコロの金包み。

 

 

クルクルとインスタを眺めていたら

ふと、ある写真に釘付けに。

 

ちょっと古びた折りじわのある

モリゾーとキッコロの絵の封筒で、

そこにカスレたマジックの赤い文字。

 

「たんじょう日 おめでとう」

の走り書き。

 

モリゾーとキッコロといえば2005年、

今から16年前の愛知万博

"愛、地球博"のキャラクター。

物持ちのいい方ですね…を

書きたいんじゃない。

 

インスタの文章を読むとそれは、

91歳の一人暮らしのお母様から

帰りがけにもらった、

誕生日プレゼント代わりの

2万円が入った封筒だそうだ。

毎年誕生日が来ても忘れていたり

気付かないことが多いお母様が

今年は思い出して、

その方に手渡した金包み。

 

"年老いた親からの小遣いは忍びない"と

書かれていたけど、

まるであたしがもらったかのように

なんだかとっても嬉しくて、でも切なくて

喉の奥が痛くなったんだ。

 

 

いつか使えるかも、って

捨てないでいた、ちょっと可愛いめな封筒。

娘の帰りがけに、ふと誕生日を思い出し

インクがちゃんと出るマジックを

探す時間すら無くて、走り書いた

「たんじょう日 おめでとう」。

バタバタと靴をはきかけの娘に

手渡すお母様の姿が見える気がした。

 

ちょっと可愛いめな封筒や紙を

いつか使えると、取っておく癖。

わかるなぁ。

あたしの母も祖母もそうだった。

で、帰りがけに走り書くんだ。

このカスレ具合、なんとも言えない。

 

ふと目に止まった

ある方のインスタのおかげで

今は亡き祖母、そして

いい付き合いがなかなか出来ない

母のことを

思い出したんだ。

 

何はともあれ

あの母がいて、

祖母がいてくれたから…だから今

あたしはこうして生きていて。

 

"たくさんの奇跡の積み重ね"と書かれて

あったけど、

寝しなにこうして、

あったまるインスタを

見つけられたのも、奇跡。

 

生きてるって、

奇跡の連鎖だ。

 

モリゾーとキッコロの封筒、

素敵だったなぁ。

愛がたくさん詰まってて。

 

 

 

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