家族とは。

 

 

美味いもの大会並みに

今食卓は大盛り上がり。

連日、そう言えば自分

「あ〜美味しかった」って

腹を撫でながら言っている。

 

 

旬のものを求めたり、

レアな逸品を頂いたり、

工夫して実験してみたら高評価だったりと、

特に食の充実感においては、毎日

我が人生悔いなしだ。

 

そんな我が家で唯一恍惚できるひと時に

食卓につかない人がいる。

年ごろの娘だ。

なんと彼女は、

美味い美味いと盛り上がる家族を尻目に、

ひとりで酵素断食をし始めたのだから

その根性にびっくりだった。

 

大学は相変わらずオンラインだし

再びじわじわと増えるコロナ禍で

ある意味チャンスと捉えたのかも。

 

三食の代わりに

酵素ドリンクを飲むのみ。

それを3日間続けていた。

 

その横で、秋の味覚を貪り食うあたし。

 

3日後から彼女は

釈迦がスジャータからの乳粥で

悟りを開いたが如く、

明らかに水分量の多い粥をすすって

肌をつるつるにしたり

身体の脂肪を無くしたりしながら

自らをバージョンアップさせていた。

そして徐々に徐々に

普段の食事へと移行していったのだ。

合間には、ストレッチや

身体作り。

あたしには出来ないストイックさで、

自らの身体メンテナンスをしていた。

 

そんな娘を密かに横目でチラ見しながらも

(3日間の断食はあたしには死を意味するな)

と、尊敬しながら見守りつつ

相変わらず貪り食っていた。

 

今回改めて実感したのは、

我が子ながら

やはり、"別の人間"ということだ。

あたしなら一番後回しにしてしまう

身体のメンテナンス。

だが娘の中での

優先順位はかなり上位。

教えてもいないのに自分の身体と

きちんと向き合っている不思議さ。

 

いつも思うのだ。

自分にないものを持っていて

学びあえるから

家族になっているんだな、と。

 

我が子ながら、圧倒的に

他人様。

血は繋がっていようとも

別の人間だからこそ、

いろいろ観察してみると

本当に面白いことだらけ。

なるほどそうか、と感心したり

えっ?!と不思議に思えたり。

 

それぞれ違う凸凹で

全然違う色を持ち、

カチッとハマってやっと

"家族"というパズルが出来る仕組みなのだ。

…なんてことを考えていたら、

血が繋がっていようがいまいが

人間であろうが無かろうが

一緒にいて学びあえ、面白がれたら

それはとっくに家族というチームなのだ。

さらには、あたしみたいに

無いものだらけだからこそ

違う能力の人たちと

家族ユニットを組めたのかもな。

 

子供だからって、

あたしのエゴを押しつけていた過去を

あれこれと振り返ってみた。

あー、言う事を聞いてくれていなくて

ある意味本当に良かった…。

今になって心からそう思う。

 

だって

違う方が、断然面白い。