マスクが。

 

「この車両に乗っている人

みんなマスクしてるね」

 

「凄いね、100%だよ」

 

そんなことを喋りながら娘と

久々の休日外出。

 

昨日、最後の断捨離で

くすぶっていた心の膿出しが

完了したもんで。

 

身も心も軽くなって

外に飛び出したくなったんだ。

ちょっと薄雲りだろうがもう

関係ない。

こそこそ買い出しとかじゃなくて、

大手を振って外出出来る嬉しさに

待ってましたの麻のシャツにした。

 

初めての店で

髪に色を塗ってみたり、

レストランでランチしてみたり。

普通のことのはずなのに

新鮮で嬉しいのだ。

 

お店の人とも、初めてなのに

無事にコロナ明けましたねー

でもまだ安心出来ませんねー

と、喜びあう始末。

 

家でじっくり読書も良いし、

普通に普通のことをするという

日々の営みと向き合ったのは初めて。

有り難さをこんなに実感出来るのも、

前代未聞の異常事態があったからだ。

 

これから先あたしは

日々の普通のいろいろを

ちゃんと嬉しがろうと思った。

ちゃんと有り難がろうと決めた。

ちゃんと心に留めることにした。

 

メトロに乗って

前の席の人を見て

ボーッとする幸せ。

 

きっとあの人

マスクをはずしたら

すっごく美人な気がするな。

あの男子だってかっこいいはず。

…なんて、マスクが遮る人のこと、

めちゃくちゃ興味がわいてきた。

 

わくわくすることだらけだ。