潜って気づいた深海物語の第7話。

夜遊びするには最高な
まさに一等地にある
会社。

そんな訳で
ちょくちょく飲み会のお誘いを
頂くが、宴会開始の時間には
戻れない。

車事情によるから。

因みに地方だと
気象状況も都内とは違う事も多々。

台風の影響で帰社出来ないから
泊まらせてくれ、と会社に電話をしたら
嘘つき呼ばわりされたこともある。

だけど、前が見えないくらい
フロントガラスに叩きつけられる
暴風雨。
車内で大音量にしてもラジオが
聞こえないくらいの
雨音に、1人恐怖を感じたことがある。

何を言われようが身の危険を感じて
地方で一泊し
天気が回復した翌朝もじっくり地方を
周りまくった。

そのおかげで
自分にも光が差すような
ネタにでくわした。

高崎をウロウロしていた時だ。
連日通ったおかげで
取引先のおばちゃんと
仲良くなった。

台風の中どうしていたのか?
とか
ちゃんと帰れたのか、とか。

帰れなかったから今またここに
いるんですよ、なんて
笑いながらおばちゃんと会話。

すると、お客様からの探しもの依頼が
あるから相談にのってくれ、と
頼まれた。

聞けばその地域、
七五三を盛大にお祝いするから
その引出物を見繕って、との事。

ビックリだった。
結婚式場で七五三も祝うとは。

結婚式並みの披露宴に
結婚式並みの引出物

ならば、と弊社のギフトを
提案したら
数件決まって、
あっさりと月の予算を達成していた。


単に数字を上げる目的で企画した、
ただ部長様の鼻を
明かしてやろうと企画した、
あの時の安直なセールは
野口さんが想像した通り
労多くして…だった。
玉砕も玉砕。
散々だった。
そりゃあそうだ、いくら値段を
多少安くしたところで
必要じゃなきゃ
買わないわ、あたしだって。


"どこ目線か"

台風のおかげで営業の基本を
学べた訳だ。
会社や上司からではなく
営業先のおばちゃんから。

ホテル代は出ないし
出張手当すら…

だが、そんなことより
満足感。

キラキラな海の中は
苦しくて
辛くて
悲しくて、ばかりじゃなかった。


このおかげで
もっともっと
潜っていたくなっちゃったのだ。
あーあ、そのせいで。