そう、この声だった。

医者に行くのが苦手だ。

サラリーマンだと
尚更時間も無いし。

通院するから、の遅刻早退は
なんか肩身が狭くて。

だが、昨夜。
夜中にふと目が覚めた。

(医者に行くべきだな)

今朝起きて、
その記憶だけが強く心に残り…
で、仕方なく行ってきたのだ。


下町の名医。
ミスターインクレディブルの
エドナ・モードばりの
強烈な先生。


「なんでもっと早く来ない!」

烈火の如く叱られた。

叱られながらジーンとした。
懐かしの声。
声って変わらないのだ。
フワッとお世話になった昔に
引き戻された。

なかなかいない。
こんな先生。
叱るのだ。
あたしの目を見て。

忙しくては理由にならない、と。

いや、本当に
名医だと実感。

叱りとばしながら
検査をバシバシ。
看護婦さんにも
流れるように指示を出し
検査の結果はわかったものから
速攻で伝えてくれながら
今後の対策、
通院頻度を少なくする方針を
しっかり考えてくれるのだ。

普通なら
「検査の結果はまた次回」
だったり
「また明日来てください」
だったり。

頻繁に通院した方が儲かるし。


だが、エドナは違う。

「今日やれることは
全てやったから」と。
検査結果が判明したものから
今後の治療はこうする、と
伝えてくれた。


"相手の立場から考える"って
こういうことを言うのだ。

いやしかし、久々に
叱られたなぁ。
嬉しかったなぁ。

でも、身体の異変を感じたら
すぐに医者に診てもらうべきだった。

本気で反省した今日この頃。


自分の身体は自分で守る。
ないがしろにして、良い訳がない。