言ったことは…

赤穂義士伝の中で
1番好きなのは

"荒川十太夫"だ。

今、介錯しようって時に。
それもあの四十七士の
1番の豪傑
堀部安兵衛を、きちんと
死なせてあげねばならぬ
切羽詰まる時に
相手のその先まで
思い遣る人間がいたとは。

荒川十太夫
言ってしまった嘘。

それを償う為の犠牲は
並大抵なものではなく。

太夫は、安兵衛亡き後
四六時中ずっと
ついた嘘が
心から離れず…だったんだろうな。

でも堀部安兵衛に対し
死後も
嘘ではなかったように
振る舞う十太夫

嘘をついた相手が
死んだ後ですら
裏切らない信念。

講談に出会わなかったら
気づかない格好良さだ。

しかも"誉れの三百石"。
ついた嘘が本当になった訳で。


言ったことは
本当に
そうなる、の良い例ではないか。


ならば、あたしも
やってみよう。

嘘をつく、じゃない。


自分がこうなりたいを
声に出す。

本気で言葉にして
実現させる、と
心に決めた。