今日はこのへんでおいとまでございます。

末廣亭千穐楽

神田松鯉師匠の、この言葉で
下席がはねた。


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『荒川十太夫』にトリをとらせるとは
師匠も粋だねぇ。
最高にあったまる。

で、わかったんだ。
なんでヘトヘトな仕事の放課後
毎日毎日身体が新宿に向くのかって。

"情"が沁みて沁みて。
仕事で、カッサカサなあたしを
松之丞や松鯉師匠が
笑わせて、潤してくれる。



荒川十太夫が命がけで
身分を偽わるネタ。
介錯直前に
堀部安兵衛についた嘘。
永遠に裏切らないように
苦しい生活から
お金を工面して
命日の墓参は欠かさない。

荒川十太夫の主君
久松隠岐守も
家臣の嘘偽りを頭ごなしに
処分しようとはしない。
自らで十太夫の調べをし
本心を聞き出すのだ。

そして

「忠義の義士への言葉を
偽りにせぬように」

と、ペーペーから重役へと
出世させる話。

書けば大分地味なのだが
何故か聞きながら
熱くなる。
じーんとして
松鯉師匠の姿が滲む。


情を情で返す家臣と主君。


あたしが講談に惚れたのは
まさにここ。

好き過ぎる理由は
"情"、だった。

今だって、やれば出来るんだよなぁ。
講談て、全然古くない。

むしろ今まさに…なもんだから
きてるのかもしれないな。