どうもこうもないよ。

 

King Gnuの『三文小説』は、ずるい。

 

皿を洗い終わり、

カサついた手に

ハンドクリームを塗りながら

聴いた。

 

風呂から出て

たるんだ腹を

手で掴んでうつむきながら

聴いた。

 

どう聴いても

いつ聴いても

こんな自分を

肯定出来る曲。

 

あからさまに

歳をとった自分を見ながら

なんかこのまんま

"らしく"いけばいいんだと

自身を直視出来る曲なのだ。

 

 

"この世界の誰もが

君を忘れ去っても

随分老けたねって

今日も隣で笑うから

 

怯えなくて良いんだよ

そのままの君で良いんだよ

増えた皺の数を隣で数えながら"

 

 

今更こんな、優しい歌を

聴かせないでよ。

泣きたくなるほど透明な声で

こんな風に言われたら

諦めきれなくなるじゃない、

自分自身の人生を。

 

 

#King Gnu

#三文小説