そういう意味だったのか。

 

「さよなら」や

「バイバイ」って挨拶は

久高島には無いのだと

今日、海ブドウ屋のおじさんから

聞いた。

 

ここでは「またね」って言うのだと。

 

そういうことだったのか。

 

あたしの友が、

「またね」って言いながら

この世からいなくなった時

(もう会えないのに"またね"とは

キツすぎるじゃないか)

って、心の中で友のことを

嘘つき呼ばわりしていたのを

すっかりおじさんに読まれて、

諌められた気がした。

 

魂は死なないからね、って。

此処では人と別れる時は

たとえ死んでしまった時でさえ

「またね」って言うのだ、と。

 

友がおじさんの口を借りて

あたしの心を軽くして

逝ってくれたのだ。

 

さよならじゃなく

またね、って言いながら

あたしも逝きたい。

次にわくわくしながらね。

 

3月6日の今日は、

久高島は祈りの日。

 

イシキ浜の3個の清めの石が配られて

航海安全、健康祈願、寿命長久が

保たれるそうだ。

御守りが貰えて、

この日からスタート。

 

またね、には

始まりの意味もあるのか。