下町の雰囲気には
どうも似合わないキラキラした夜だ。
そういやもう
クリスマスまであと1ヵ月だからか。
キラキラ電気が玄関先を彩る季節に
なっちゃって。
呆気にとられるほどの
時の早さだ。
キラキラが気になるのは
他でもない。
今宵のこのせいなのだ。
特に、
野晒しのクマ。
これがいけない。
鼠小僧親分に恩返しをしたくて
自分の罪だけじゃなくて
親分の罪まで被って
喜んで死んでいく"しじみ売り"の話。
最後はじーんとして苦しかったよ。
人の為になるには
どうすれば良いか。
で、親分の悩みを聞いて
「これだ!」って
思ったんだろうな。
いいヤツなんだ。
さりげなくて。
勿体ぶって、
恩着せがましく
これ見よがしに大きいツヅラをもらうより、
さりげなく小さなツヅラが
気づいたらちょこんとあって、
蓋をあけたら…
って、なんかもう
絶対に心に残って消えない嬉しさ
なんだよなぁ。
教わったよ、クマに。
一番のキラキラは
クマみたいな魂の人なんだな。
尊い、って正にこれか。
今更だけど、目標が定まった夜。