こっちまで嬉しいよ。

 

親くらいの齢の

年の離れた友人が多い。

なんでか知らないけど。

 

今日も、会社に

リタイアしたじさま68歳から

電話がかかってきた。

 

だいぶ弾んだ声だ。

だいたい何の用事かわかる。

 

いい女がいてさ…とか。

 

こっちは一応仕事中だから大概にしろ、

なんだけど

その時は、

どうもスケベな話じゃなさそうだった。

 

弾んだ声なのに

いつもと違うね、どした?

 

 

じさまが言うに

シルバー川柳に入選した、と。

 

PCで見てくれ、と言うのだ。

自慢の作品を。

 

こっちは真面目に

仕事してるんですけど〜

 

なんて言いながらも

だいぶワクワクして

ネットで見ると…

 

"初孫で娘の家まで定期券"

 

なんて素直ないい川柳だ、と

褒めた。

初孫の嬉しさがストレートに

伝わってきた。

初めて心から褒めてあげるよ、と

言ってあげた。

 

いつものエロじじい感が皆無で

孫が出来た喜びと

にやけるじさまの顔が電話越しに

見て取れる。

 

仕事では結果を残してないけど

今回は最高の結果を残したじゃん!

あ、これ忖度だからね。

だけど、定期券なんか買って

ちょくちょく来られたら

娘さんもお孫ちゃんも嫌だろうね、

しつこいの嫌われるから

気をつけるんだよ。

 

 

なんて会話。

仕事中なのに最高に

盛り上がってしまった。

 

素直に嬉しい。

友人が入選したっていうのもあるが、

恥ずかしそうに電話をしてきて

どうかなぁ、って。

リタイアしても

いろいろ楽しく元気で生きていて

くれることもそうだけど、

好きなことを見つけて自慢して…。

赤ちゃん、可愛いいんだろうなぁ

きっと。

 

そしたらじさま

こう言うんだ。

 

あなたにそう言ってもらえるのが

一番嬉しい。

 

 

年をとると口も上手くなるんだな、

って言ったらば、

 

忖度忖度!

 

って言いやがった。