呼ばれた。

せっかくの休日だ。

生活の為だけに
一日を終えたくない。

って思っていた矢先に
息子が神保町に行く、と
言い出した。
買わなきゃいけないものがあるし
カフェの方が勉強がはかどるなんて
生意気なことを言うもんだから

「金なら出してやるぜ」

と言ったら、
一緒に行くことを快諾した。
ゲンキンなヤツめ。

で、本をしこたま買い込んで
息子の横で読み進める。

一番に呼ばれたやつから
スタートだ。



"生きてると
社会で生きているとね

私たちは
悲しいのに笑ったり
寂しいのにすましたり
悔しいのに平気な顔をして
自分の本当の気持ちを
置いてけぼりにしちゃって
だんだんと自分が
何を考えているのかも
わからなくなって"

……『ダルちゃん』はるな檸檬さん

の漫画に出会えた。


社会で生きていると
わからないことが
いっぱいで。

ただ流されるままに生きていて
そうこうしているうちにさ、
一番わからないのは
自分だったって気づいた。

こんな真近にいて
何が好きなのか
何もわからなかったんだ。
ただ、周りにいる人に
好かれてるだけでいいのだ、と
他人の顔色ばかりを
伺っていてさ。


だから、この言葉に出会えたとき
喉の奥が、ぎゅっとしたんだ。

斜め後ろにいるあたしが
何度も何度も頷くのが
わかったよ。

この状況になってきたな、と
思ったらかなり手遅れだけど
この漫画を読んだら
だいぶ楽になれるよ。

ほんとだから。