「ちょっとこれ、食べてみてよ!」
下町の八百屋さんで、久々なやり取り。
昼過ぎに行って、みかんを物色していたら
おじさんが「味見してみて!美味しいから」って
みかんをひとつ、ガバッと割って
差し出してくれたのだ。
「うわーこういうの、いいね。久しぶりだよ。」
おじさんと喋りながら、
図々しく味見しながらする買い物の
懐かしさったらない。
スーパーじゃビニール袋越しや、
カラーネットに騙されたみかんを何となく
ちょっとだけチェックして
カゴに入れて買い物終了だ。
それに比べて久々の対面の八百屋さんはいい。
面白いのだ。
自分がただ単に味見したい欲満々で、しかも
他人と喋るのも苦じゃないから…かもしれないが、
お金を払う嬉しさが違うのだ。
「美味しいねぇ、間違いないね」とか
「いいもん買ったわー」な、
おじさんとの空気感も堪らない。
そう言えばコロナで、味見してみて的な売り方も
姿を消した昨今だし。
また行きたくなるのって
やっぱりさぁ"人"なんだよな。