見えない部分。

 

 

言わなくて良かったなぁ…

 

f:id:tamasapuri:20210908220347j:image

 

今日はそんなことを実感した事件があった。

 

自慢じゃないが、自分の癖、いや

特殊能力として

"一言多い"っていうのがある。

良くも悪くも言い過ぎるのだ。

良い方に転べば、事前に失敗を免れて感謝される。

だが悪い方に転べば、喧嘩になったり…。

ま、悪い方へいくことのが断然多いんだけどね。

 

 

退職を機に、その癖をやめると決めた。

余計なことは、絶対言わない。

自分にもだが、特に他人様に。

「それ、言わなくて良くない?」と

返されそうなことは事前に察知し、努力。

 

そんな決意をした時

息子は高3に。

受験が始まった。

あたしの努力を日々試すかのように、

見る度に、寝ているかスマホいじり。

口元がもう何度ピクついたことか。

 

だけど「勉強しなくていいの?」なんて

絶対に言わないようにした。

口が裂けても言わないと決めたのだ。

何度も裂けそうになったけど。

なんなら、

「疲れて横になってるなら、ちゃんと

布団に入りなよ」とか、

「甘いもんでも食べる?」

かなんか言っちゃって。

 

最初は我慢の連続。

だけど不思議、

だんだん慣れてくる。

 

でも、内心は心配で心配で。

結果はなんだかんだで

大学に入学できたが、受験後も腑に落ちず…

(何であんなに寝てた人が合格出来たのだろうか)

と、ある意味不思議で仕方なかった。

 

だが今日。

 

彼が使っていた赤本やら問題集が、

まだまだ片付け終わらずに残っていて

メルカリに出そうと娘と準備をしていた時だ。

 

ちゃんと、くまなくやってあるじゃん。

こんなに、いつやる暇があったんだろ。

 

書き込みの鉛筆の跡を消しゴムで消しながら

思ったのだ。

余計なことを言わなくて良かった、と。

 

たまたま自分の見たタイミングで

相手を決めつけるようなことを

言わなくて良かったってね。

 

このネタは、"ウチの子、勉強しなくても

大学に入ったのよ、凄いでしょ!"を

アピールしたくて書いたのではない。

 

ただ、自分都合で切り取った

相手の一場面だけを見て

その人が、

それはたとえ自分の子であったとしても

「勉強してない」とかって

その人となりを

決めつけて言うべきじゃないってことだ。

それをしながら「ストレス溜まるわ」とか

言っている場合じゃないのだ。

ある意味勝手に溜まってろ、だ。

 

赤本や問題集の残骸を見ながら、そして

消しながら、

見えない一面、

見せていない一面、を

想像以上に持ちあわせている、

他人の凄さを思ったのだ。

 

自分都合で"こんな人"って決めつけるより

こんな一面もあったのか!って

発掘する方が断然楽しい。

わからないからこそ、

面白い。

 

f:id:tamasapuri:20210908221021j:image

 

こんな一面があったのか…と息子という人間を、

今更ながら尊敬したのだった。

 

勉強しろ!なんて言わないで

本当に良かった。