こんなときどうしよう。

 

ヨシタケシンスケさんの

絵本のタイトルみたいな日だった。

 

 

今日は待ちに待った寄席。

 

"この忙しい時に

寄席だとお!?

そんな楽しみ、阻止してやる!"

 

くらいな、仕事に追われてしまい

最後まで行かれるんだか、

行かれないんだか…ヒヤヒヤだった。

 

だが、気持ちがより荒ぶり勝り、

とりあえず、かたをつけた。

定時でダッシュ

 

着くなり

ワクワクが止まらない。

だってずっと楽しみに

していたんだからさ。

どんなに仕事のビッグウェーブ

こようとも

 

(この寄席に行く!)

 

があったから負けずに立ち回れたんだ。

 

なのに、あんなことになるなんて…

 

あーいよいよこれで終わりかぁ。

最後の演目の何故か初っ端だった。

 

(あたし、トイレちゃんと流したかな…)

 

突然集中が途切れた。

今まで浸っていた時代から

急に引き戻されて

現代のトイレが見えてしまった。

 

(今時はさ、自動で流れるやつやん)

 

(いやでも待てよ。左側にボタンを押す

ところがあったしな…)

 

(ヤベ、あたしの次に入る人と

バッチリ目があった!)

 

(あいつ、トイレ流さないやつ!って

思ってるだろうな)

 

(次の人だってやだろうな…)

 

…この演目。

トリだよ。トリ。

 

流れたよ、最後の最後のいいネタがさ。

馬鹿だよね、あたしは。

なんでこんなくだらないことで

最後の最後にキレてしまったのか。

 

あーもったいないことをした。

こんなとき、どうしよう?

ヨシタケシンスケさんの絵本のタイトル

みたいなワードまで浮かんできてさ。

あーあ。

 

こんな中年の情けなさを

絵本にする…訳ないか。