最後の爆撃が終わった時。

 

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待ちに待ったこの映画。

 

早く観たい反面

正視できるか。

ぐらぐらしながらスクリーンの前にいた。

 

封切られたばかりだから

余計なことは書けない。

 

けれど、この映画の

最後の爆撃が終わった時

突然に聴こえた曲がある。 

勝手にあたしの頭の中で響いた歌だ。

 

サカナクションの『グッドバイ』。

 

"探してた答えはない

此処には多分ないな

だけど僕はあえて歌うんだ

わかるだろ"

 

 

メリー・コルヴィンほど

与えられた時間を無駄にしなかった人は

いないんじゃないか。

 

56年。

ちゃんと見て

ちゃんと怖がり

ちゃんと涙して

ちゃんと伝えて

ちゃんと生き切る。

 

戦場に高級なブラジャーと

黒い眼帯で最前線まで乗り込んで

恐怖を顧みずに…くらいしか

イメージがなかったから、

今日この映画を観られて安心した。

ほっとした。

当然の事ながら血の通った人間だった。

SNSで得た情報は何だったのだ…

 

 

"グッドバイ 

世界から知ることもできない

不確かな未来に舵を切る

グッドバイ

世界には見ることもできない

不確かな果実の皮を剥く"

 

思えば不確かないろいろで

あたしという人間が出来ていて、

何食わぬ顔で

不確かなことを喋っている。

だからこそ

メリー・コルヴィンの生き方に

ずっとずっと惹かれていたのかも

しれないな。

もちろん

真似なんか出来ないし

真似しようとも思わない。

 

けれど、こうやって

情報操作なんてされていない真実を

命がけで伝えようとした人が

いてくれたことが

嬉しい。

曲げられたことを知らされるって

どれだけ馬鹿にされたことかって。

 

 

どっちが正しいとか、

どっちが間違っているとかより

それ以前の、

真実を

命と引き換えに

伝えてくれた彼女の気概。

有り難くて泣けた。

 

それこそ

"不確かな果実の皮を"剥こうとしてくれた

メリー・コルヴィンのこの映画

『A  PRIVATE  WAR』は絶対

観るべきだ。

 

で、

最後の爆撃が本当に終わるのは

いつなのだ。