この暑さの中で…

喪服を着て
叔母の一周忌法要。


夏の暑い盛りに
女盛りの叔母が逝った日から
早くも1年。

おいていかれた叔父が
だいぶ痩せてしぼんでいた。


「何にも手につかなくてさ。」


やもめ叔父さんの呟きを
「何言ってるの、らしくないじゃん」
と、笑い飛ばして肩でも叩いてやれば
良かったのだ。

が、いつもの調子になれなくて。

昔から、痩せろ痩せろ
痩せないと身体に良くないと
みんなから言われていたやもめ。

いざ痩せたその姿は、
スッキリよりゲッソリなのだ。

相方を亡くすことが
どんなに切ないことか
わかったなんて言えた義理じゃない。

だけど、やもめの姿を見て
少しだけ気持ちに寄り添えた。

帰りがけに貰ったお返し。
叔母が好きなものを
いろいろ取り揃えた、が
めちゃくちゃ量があって
重いのだ。


これこそ
やもめが抱えている
気持ちの重さなのかもしれないな。


カンカン照りの暑さの中で
黒い喪服が熱を吸収するのと同時に
手提げ袋からじわじわと
やもめの思いが伝わってきた。


夏休みのはじまりは
そんな日だった。