潜って気づいた深海物語の第15話。

深海とは、
今勤務している会社のことだ。

社内での日々
出会う人など
想定外過ぎて。
明らかならずな世界なので
そう思うことにしたのだ。

これ以上いたらこっちの精神が
おかしくなるから、と
辞める決心をしたことは
数限りない。
が、その都度のいろいろが
あたしに辞表を出すことを
させてくれないのだ。


育休が取れず、
産後2ヶ月で出勤せざるを得ない時。

保育園には入れなかったから
近所の保育ママさんに預かって
もらっていた。

これ以上ないくらい
理解ある下町のおばちゃんで
子供のお迎えに行くと
自家製漬物や
煮物を作ったの、と持たせてくれる。
子供に再会すること以上に
おばちゃんの手料理を楽しみに
している自分がいたりして。

そんな、自分の親代わりな
おばちゃんも一緒に怒ってくれたことが
ある。


産休明けで出勤したら
配置換えされていた話。

なんせ、産休なんか今まで取った人が
いないから、連続して4ヶ月弱の
休みを取ることに納得出来ない
周囲であったことは仕方ない。
自分自身どう思われているかは
空気でわかる。

だが、出勤したら
営業から内勤に変わっていたのには
正直驚いた。
時間が読めない営業は
子育てとは両立不可だと
思いやりの判断だと思うしか
仕方ない。

子供のいる人間には
希望する仕事が出来ない深海。
まぁ定時で帰れるなら
その後が楽だな、と
前向きに捉えたが、

「あんたみたいに人と打ち解けられる
人間を営業から外すとは、会社も
見る目がないねぇ」
っておばちゃんの言葉が
何より有り難かったのだ。

なんかもう、そう言われただけで
報われたっていうか…。
この時も退職をとどまれたのは
おばちゃんの言葉。
それから、
次に続こうと考えている女子への
手前もある。

だからあたしは、
目の前にきたものを
粛々とやる、と決めたのだ。

事務でどこまで出来るのか。
仕事の流れや
PC初体験をなんとか頭に
叩き込む。
初体験の育児に
初体験の事務。
定時で帰れるから、って
ウホウホには全くなれなかった。
しかもだ。
事務にしたのに、退社後電話が
かかってくる。

会社から。

もの凄く深海っしょ。
想定外過ぎる話をまた次回。