忖度しない食欲。

 

 

今日の下町の夕日。

 

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太陽の間を

細い雲が割り算記号のように

丁度二分してくれているのか

鏡餅風な夕陽に見惚れていたのだ。

 

そんなレアでオシャレな夕暮れに、

あたしは何故だか

(この前割った卵、そう言えば双子で

あんな感じだったよなぁ…

それで作った卵焼き、美味しかったなぁ。

今度はもう少し甘めにしてみようかな。

あ、そういえば伊達巻、

まだ冷蔵庫にあったよな。切って食べるか…)

放っておくとこうして

妄想は食べ物へ食べ物へと、

止まらない。

で、妄想で止まらずに

気づくとお皿に伊達巻が載っていたりする。

 

おかげでどうだ。

冬眠する熊よろしく

いい感じに体重は右肩上がりだ。

 

いいんだよ、寒さをしのげて。

 

ここのところ本当に眠いし

たらふく食べたいし

確実に冬眠に向かっているのではないか、と

心配したのも束の間、

あたしは考えを改めた。

 

あたしの身体は今

必要だから食べ物を欲しがっているんだ。

この時期、何かしら意味があって

食欲をこんなに欲しているんだな。

しょうがないや。

いつもあたしの直感で

突然あそこに行けだ、ここ行こうだって

我儘放題に付き合ってくれているじゃないか、

あたしのこの身体。

 

たまには、

そう、たまには…

食欲を満たしてやっても

バチは当たらないはずだ…

 

そうなのだ。

都合の良い言い訳。

それは充分わかっちゃいるけど…

 

ちょっとは忖度してくれないかな、

あたしの食欲。