タイミング

近所に川が流れている。

通りかかって、たまたま川を
覗きこんでみたら
座布団ほどあるエイのような
平たい魚が2匹
水面から30センチ以内のところに
たゆたうのが見えた。

1匹ならまだしも、
2匹。

お世辞にもきれいとは言えない
都会の川に生きていてくれて
有難いなぁ、嬉しいなぁ
と、心底思った。


彼等に会えたこと。

いつもは川を覗くことなんか
しない。
競歩並みにスタスタ移動をする
タイプだから、
木々の緑など、目線はいつも
大概上を見ている。

雲が面白いな、とか
空の色がいいな、なんて。

だが、昨日たまたまふと
川の水が気になり
橋の上から眺めてみたら
かわいいヤツに出会えたのだ。


"たまたま"


だった。
昨日いたから、今日はどうかな、
って会える気満々で覗いてみたが、
残念ながら、だった。

たまたま?

いや、違う。
見るべくして見られたのだ。
そのタイミングで
彼等は姿を現してくれたのだ。
有難いな、とほっこり出来る
心の余裕があったり
感謝出来たり
何で会えた?と考えさせる
このタイミングで。


良いも悪いも
何かが起こったりすると
"たまたま"って片付けていた。
今までは。

だが、最近思うのだ。

本当に、たまたまなのか、
って。

道標の役割みたいに
必要なタイミングでくる。
起こるべくして起こるんじゃないか。
そう思えるのだ。


遭遇したことに
どう対処する?
右にいく?
左にする?


聞かれた気がしてね。

エイに。