こんなことになるなんて。

あの時は、これっぽっちも
思ってなかった。
こんなことになるなんてさ。

なんせ浪人して。
これが最後の受験だ…と。

背水の陣だ。

窮鼠猫を噛むだ。

もうこれっきりだ…

いろいろな切羽詰まる言い回しを
寄せ集めては
自分に貼り付けて
それだけで必死感を煽り
心配の種を蒔いて
やっとこ
長年の憧れをなんとか
叶えた。


あの日から、どれだけの時間が
経ったんだろう。

まさか、自分の子と
母校に行くなんて。
付き添いながらの走馬灯。

あの日は雪だったなぁ。
そうそう、外に簡易トイレが
あったしなぁ。

なんて、どうでもいいか。

今日も
あの日と変わらず
相変わらずの寒さ。
そして
相変わらずの人、人、人。


源ちゃんのライブに
勝るとも劣らないんじゃね?


なんてことを笑いながら
喋りながら
あー、こんな日が来るとはな、と
心が熱くなった。


後から後から
校舎に吸い込まれていく
受験生をみて
ワクワクさせて貰えた。

楽しめよ。
これからのあなたを。

ひとりじゃないよ。
いろんなところで
誰かがキミを想って
応援してるんだよ。
気づけよ、それに。



ここまで無事に
来られたことに
もう
感謝しかない。