桂の木の教え。

 

 

観光地レベルの人、人、人がわんさかな

北海道大学の構内。

黄金色の紅葉を愛でながら、ふと思った。

 

何故自分は今こうして

あんなにも仲が悪く(今も良いとは言えない)

母を誘って

札幌に来ているのだろうか、と。

 

あたしには考えられないことだから。

親とふたりの旅行なんて

想像すら出来なかったからだ。

 

子育てのやり方、教育方法をはじめ

我々夫婦のやることなすこと全てに

必ず毒を吐き、マイナス思考から

不安を煽ってくる自分の母。

どうかこれ以上我々家族と関わってくれるなと

祈ったこともあったのに。

 

旅行に誘った自分自身にびっくりだった。

ひとり旅ならどんなにか楽だったろうと。

 

息子の進学先が北の大地で

一人暮らしをすると決まった時も

あんまり良い顔をしなかったのに、

今回初めて北海道大学を歩いて感動したのか

息子に向かって今日別れ際

「良い環境で学べて幸せだね」や

「泊めてくれてありがとう」などと言い

また来たい、泊めてくれオーラを

全面に出して札幌を堪能していた。

 

「そうだ、母と札幌行こう」と突如

どこかからメッセージが降りてきた。

そしてあれよあれよと言う間に飛行機で札幌に。

 

f:id:tamasapuri:20231106205317j:image

 

歩きながら「紅葉綺麗だねー」からの

「誘ってくれてありがとう」と言った母。

今まで母から褒められたり感謝されることって

ほとんどなかったのに、びっくりだった。

 

人を素直に褒めることが出来る人なのか…と

母の新たな一面を見せられたり。

 

帰りがけ、

 

f:id:tamasapuri:20231106205753j:image

 

良い匂いの桂の木の下を2人で

歩きながら札幌駅へ。

気づけばあたしの後ろをついてくる

母の足取りは昔以上にゆっくりになっていた。

疲れたのだろうな。

老いて小さくなった母の姿を見たら

いろいろがどうでも良くなった。

 

f:id:tamasapuri:20231106211013j:image

 

まあるいハート形の葉の桂。

真っ直ぐ天に伸びるこの木は

縁起が良い木とされているらしい。

"神に通じ、身を軽くして老いず"の木だそうだ。

 

この何とも言えない良い匂いのおかげで

あたしの心もだいぶ軽くなったみたいだ。

 

桂の木、ありがとね。

 

 

#札幌

#紅葉

#桂の木