観光地レベルの人、人、人がわんさかな
北海道大学の構内。
黄金色の紅葉を愛でながら、ふと思った。
何故自分は今こうして
あんなにも仲が悪く(今も良いとは言えない)
母を誘って
札幌に来ているのだろうか、と。
あたしには考えられないことだから。
親とふたりの旅行なんて
想像すら出来なかったからだ。
子育てのやり方、教育方法をはじめ
我々夫婦のやることなすこと全てに
必ず毒を吐き、マイナス思考から
不安を煽ってくる自分の母。
どうかこれ以上我々家族と関わってくれるなと
祈ったこともあったのに。
旅行に誘った自分自身にびっくりだった。
ひとり旅ならどんなにか楽だったろうと。
息子の進学先が北の大地で
一人暮らしをすると決まった時も
あんまり良い顔をしなかったのに、
今回初めて北海道大学を歩いて感動したのか
息子に向かって今日別れ際
「良い環境で学べて幸せだね」や
「泊めてくれてありがとう」などと言い
また来たい、泊めてくれオーラを
全面に出して札幌を堪能していた。
「そうだ、母と札幌行こう」と突如
どこかからメッセージが降りてきた。
そしてあれよあれよと言う間に飛行機で札幌に。
歩きながら「紅葉綺麗だねー」からの
「誘ってくれてありがとう」と言った母。
今まで母から褒められたり感謝されることって
ほとんどなかったのに、びっくりだった。
人を素直に褒めることが出来る人なのか…と
母の新たな一面を見せられたり。
帰りがけ、
良い匂いの桂の木の下を2人で
歩きながら札幌駅へ。
気づけばあたしの後ろをついてくる
母の足取りは昔以上にゆっくりになっていた。
疲れたのだろうな。
老いて小さくなった母の姿を見たら
いろいろがどうでも良くなった。
まあるいハート形の葉の桂。
真っ直ぐ天に伸びるこの木は
縁起が良い木とされているらしい。
"神に通じ、身を軽くして老いず"の木だそうだ。
この何とも言えない良い匂いのおかげで
あたしの心もだいぶ軽くなったみたいだ。
桂の木、ありがとね。
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