そういう時なんだ。

ノートルダム大聖堂の火災。

このニュースは本当に
衝撃だった。

初めての海外旅行は
パリ。
大学2年の夏休みに
友人と2人で
自由に歩きまわりたいからと
パッケージツアーではない旅を
企画し、実行。

歩き疲れて
ヘトヘトになりながら
なんとか到着した
ノートルダム大聖堂
美しかったこと。

しかもいい匂いで
空間が優しくて
いつまでもいつまでも
長居した。

あのニュースを見ていたら
ふと蘇えってきた過去。


戦火を逃れ
800年以上の歴史を
炎は、あっという間に
消し去った。
美しく凛とした塔が
崩れ落ちていくさま。


美しいあの姿が
一瞬で変わってしまうなんて。


切なさがこみ上げて
呆然とテレビ画面に
釘づけになった。
信じられなかった。


と、同時に
心に沸いてきた思いがある。


変わらないだろう
変えられないだろう
って思っていたものでも
一瞬で変われるんだよ、って
ノートルダム大聖堂
自ら炎に包まれながら
教えてくれているんじゃないか、
って。

既成概念なんて
あっけないもんだ。
そんなもの、一瞬で
変わっちゃうんだよ、って。


多様性。
いや、そんな緩いことじゃないな。


あれだけのものが
消失したのだ。

この事実を活かさなければ
ノートルダム大聖堂
申し訳がない。

変われるんだよ、一瞬で、
ってことか。