これが目の前に来て
あたしの口に入った途端。
ちょっと!
なんなのよ、これ!!
なのだった。
退社後、日比谷公園を突っ切って
美味いものにありついた。
さっきまでの
次元じゃない自分になれたよ。
心からそう思えた。
挙げ句、
追い討ちをかけてきたのが
コイツ。
生地に添付している
モッツァレラチーズじゃない。
モッツァレラ様に
生地が寄り添った、マルゲリータ。
焼かれて、とろけて、
気づいたら口の中で消えた!
みたいなヤワなヤツじゃない。
生地ごと頬張ると
チーズが反発してくる。
口内で逆アッパーを
くらいながら咀嚼。
今までのいろいろな怒りを
コイツが胃に
もっていってくれた気がした。
極めつけの…
長年の悪事を
詫びたい気分だよ。
ごめんなさい。
これからは
もっと良い人間になります。
頑張らせてください。
心がそう言った。
美味いものに勝る
癒しはないね。
そんな気がした
夜だった。