老けない理由。

 

 

「普通だったら弱点になるところが

弱点になっていない」

 

NHKザ・ヒューマン

羽生善治 天才棋士 50歳の苦闘」で

豊島二冠が羽生九段を評した言葉に

やられた。

 

藤井二冠の将棋をAIで学び、研究する。

豊島二冠とのスリル満点の対戦をする。

50歳にして竜王への挑戦を追った

開けっ広げなドキュメンタリーだった。

自分に薪をくべられたような、

心の底が熱くなる内容だった。

 

羽生九段。

 

かれこれ10年くらい昔、

子供将棋大会で息子を含めて何十人もが

輪になって、羽生さんと対局させて頂き

呼吸をするみたいに次から次へと

もの凄いスピードでぐるぐるまわりながら

将棋をさされる指先に

見惚れたことを思い出した。

しかも、対戦後の感想戦の時に

「何手前のこの動きが…」と、

ひとりひとりの手を

全て覚えていらして、

息子の横で見ていて恐怖すら覚えた。

言わずもがなの天才。

だが、にこやかで楽しそうで、優雅。

それ以来の羽生ファンだ。

 

画面からの羽生さんは

50歳とは思えないくらいかわいいし、

覇気がある。まだまだある。

悩んで迷って、読めない、わからないと

はっきり言って、納得するまで

盤から離れない姿。

それでいて、筋トレや旅行やウサギの世話といった

日々を楽しむ姿勢や奥様のツイートで、

羽生善治という人を余計に好きになったのだ。

普通の生活から、人間としての間口を広げ

奥行もさらに広げて、

それこそ"更新版の羽生善治"、

バージョンアップした羽生さんが

楽しみで仕方ない。

 

普通なら弱点。

でもそれを弱点にしない…とは

諦めていないからだと思うのだ。

 

自分に。

 

わからない、読めないのは

自分自身の計り知れなさも含んでの言葉だ。

勝手にそう思って、わくわくしたのだ。

 

わからないから、面白いんだ。

きっと。

 

 

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