今どき。

 

年に一度の歯科検診。

一年前から予約していたやつだ。

もう何年も

ずーっとお世話になっている

大人気のおじいちゃん先生と再会。

 

歯をやたらと削ったり、

抜いたりするのを嫌う先生で

歯磨き指導が徹底的なのだ。

 

大人の歯は、

再生しないでしょ。

なるべく抜かずに治すのが僕のやり方、って。

 

で、今回も

念入りに磨き上げた

自慢の歯を見せたろ!と、

口を余計に大きく開けた時だ。

 

「頑張り過ぎてる。

力が入ってるな。」

 

ニヤっと笑い、そうおっしゃるのだ。

 

細い毛のコンパクトな歯ブラシで

歯間に突き刺すようにして歯磨きをして、

歯垢をしっかり取るやり方を学び

真面目に実践してきたはずなのに…

今回手渡されたのは大き目ヘッドで

柔らかく細い毛の歯ブラシだった。

 

「表面をサラッと磨いて

あとは歯間の歯垢をこうやって…

磨きすぎはダメだよ。

歯が磨耗しちゃうからサラッとね。

これが今どきの磨き方だから」

 

歯茎から歯の先端に

流れるように磨かないと

歯茎を痛める、っていうのも

昔のやり方で、固定概念。

今は逆にブラシを動かす方が

良く磨けるんだ、とも。

固定概念は、どんどん壊していくんだと

おじいちゃんとの会話とは

思えないひと時だった。

 

噛み合わせで

肩凝りも治してあげるね、と

一瞬左の奥歯を少し削ってくれたけど

首の寝違えまでスッキリ完治。

 

神業を伝えると、ニヤっとして

歯ブラシの使い方講座へ。

しっかり新しい歯磨きのやり方を

マスターしての帰りがけのことだ。

 

頑張り過ぎないこと。

力を入れ過ぎないこと。

固定概念をどんどん壊したらいい、と

再度言われたのは…

 

歯磨きのやり方だけじゃ

ない気がするんだ。