金継ぎの教え。

 

久しぶりに帰宅した

この子たち。

 

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やちむんや、

源右衛門窯飯碗、

パイナップル柄のタイの食器などなど

欠けたり割れたりしたけれど、

やはりお気に入りは捨てられない。

 

一目惚れの食器だったり、

遠路遥々割れないように

新聞紙やTシャツをぐるぐる巻いて

スーツケースの奥に入れ、

機内持ち込みで

大事に大事に帰国させた食器だから、

思い入れがある数々。

 

割れたからって「はい、さようなら」

が出来なくて、「金継ぎ」が出来る

友人にお願いした。

 

その名も"かえる堂"さんだ。

 

割れて、少々時間が経ったものもあり、

破片が紛失して元通りにはいかないな、と

覚悟は出来ていたけれど、

修理されて戻ってきた彼らをみて

金継ぎに対する思いが変わったのだ。

 

"欠けたら、埋めて

割れたら継いで、元通り"

 

今までそう思っていた金継ぎだが、

その決めつけは、違うと知った。

欠けを漆や金で埋めて

割れを継いで貰って戻った彼ら。

元通りではない。

昔とは全然違う顔をして帰ってきたのだ。

 

薄紙やエアーパッキンをゆっくり剥がし

開けてびっくりした。

以前よりも味のある佇まいをして、

昔とは違う存在感たっぷりの彼らだったから。

 

 

金継ぎが教えてくれたのは、

"人間もそんな感じでいいんじゃない"って

ことなのだ。

 

割れや、欠け。

いい感じで埋めて…さ。

 

"人間味"の意味が

わかった気がする。

 

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#金継ぎ

#かえる堂