雀刺し、って。

 

川魚の佃煮は"雀焼き"だっけ。

一瞬、佃煮の話かと思いきや

「雀刺し」が将棋の手の名前とは、

驚いた。

 

 

藤井棋聖王位戦第3局、

1日目。

大正時代から昭和初期に流行った

「土居矢倉」に

同じく、昭和に流行し平成に廃れた

「雀刺し」で攻め、

結果本日、木村一基王位に勝利した、と

ニュースで知った。

「雀刺しは廃れた」って

書いてあった気がするが。

 

令和の時代、

最年少が二冠と八段に大手をかけた

その手が「大正時代の…」とか「廃れた」

って…。

将棋の時間の流れに圧倒されたと同時に、

藤井棋聖の奥深さと引き出しの多さに

"天才たる所以"を見せて頂いた気がする。

 

そうなのだ。

講談や落語のように

先人の敷いたレールに乗りつつ

その人の"今"で演ることで「文化」として

余計に面白く、確実に繋いでいくものが

愛おしく思えて仕方ないのだが、

9×9の盤上にもそんな

歴史の厚みがあったとは。

藤井棋聖のおかげで見方が変わったのだ。

 

対局する2人の、指すその向こう側に、

どれだけの時間が流れているのだろう。

どれだけの人や手数があるのだろう。

勿論、

何を召し上がったのか、にも

興味は無くはない。が、

20の駒を握りしめ、脳から繰り出す

勝ち負け以上の面白さや壮大さを

もっともっと知りたくなった。

 

藤井棋聖には何が見えているのだろう。

そして、何処までいくのだろう。

果てしなくて、

楽しみ過ぎて。

 

 

 

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