思いがけず。

 

美味い鮨にありつけた。

 

たまたまうろついていた新富町界隈。

丁度昼時。

本や雑誌やオリジナルグッズを

控え目に販売している店にいたのだが、

そこの姉さんが匂った。

 

絶対詳しい感じがするのだ。

美味しい店に。

粋な姉さんは、ニヤリと笑って

 

「ありますよ」

(ここを何処だと思ってんのよ、奥銀座だよ)

 

因みにカッコのコメントは、勝手に

あたしの想像だ。奥銀座なんて言わないかも

しれないが、

ありますよ、の後の姉さんの

心の声が聞こえてきたのだ。

 

鮨、石島さん。

 

人気の店だから多分今からじゃ

入れないとは思うけど、って、姉さん。

 

あたしは御礼もそこそこに

石島さんを見つけて暖簾を引き上げると

やおら店内に顔を突っ込んだ。

 

なんとも言えない緊張感が張り詰めた

なんとも言えない高級感満載のカウンターが

目に飛び込んできた。

 

大将にギロっと睨まれたかと

思いきや、たまたま空いた席が…。

 

もしや。

 

「いらっしゃいませ」

との優しい声を掛けてくれた大将。

 

嘘でしょ?!入れるの??

 

と心の中で叫びながら

あたしはにこやかな、且つ

ひきつった笑顔で

着席したのだった。

 

普通のランチはなんと

1500円代。

ビギナーだからまずはそれを頼んでみた。

 

カウンターの中には

丁寧に整えられた魚たち。

 

で、大将が

「〇〇です。このまま召し上がってください」

とか言ってくれる訳。

 

で、ほおばったのよ、一口で。

 

あー、もうダメだ。

こんな夜に鮨のネタなんか

書いてる場合じゃないな。

腹が減ってしょうがないや。

でも、そうなのだ。

最高のネタが乗っている鮨に

幸せにしてもらえた話。

 

#鮨石島

#新富町